絶景ビーチでの小さな奇跡と地元居酒屋での幸せな出会い ~天気は悪いがそれなりに伊良部島・宮古島を楽しむ 2日目

2022年5月9日

絶景ビーチ「佐和田の浜」

さあ、伊良部島(と宮古島)の2日目。
きょうも朝から天気はよくありません。
バルコニーから眺める海は、昨日よりも荒れ気味で、手前の岸壁に当たって波しぶきまで上がっています。

それでも部屋で悶々としていてはもったいない!
天気の良くない沖縄での過ごし方、今日はレンタカーを借りて島を回ります。

天気が悪い日は「海中公園」に行け!

ホテルを通じてあらかじめ予約してあったレンタカーに乗り込んだのは10時半。
まずは伊良部大橋を渡って、宮古島に入ります。
目的地は「宮古島海中公園」。
ここ、天気が悪い日にすごす場所としては最適なのです!
何せ建物自体が海中にあるので、外の天気と関係なく、海の中の生き物を見ることができるんです。

まずは「管理棟」でチケットを買って、いったん外に出た後、海沿いに立つ「海中観察施設」という建物の中に入ります。すると「地下」へと続く長い下り階段が。でも実際は土の中へ入っているのではなく、海の中へ入っていってるんですね。
で、階段を下まで降りると目の前に横長の空間が広がり、縦長のガラス窓がたくさん並んでいます。ここが深さ5メートルくらいの海中になるわけです。
船に乗る訳でなく、水に濡れることもなく、いきなり海の底に来たことになります。

宮古島海中公園HPより

そんな岸近くの海にそんなに魚なんていないだろう、と思いきや、さすがは沖縄、窓から外を見ると無数の熱帯魚が! 
サンゴの中にはニモ(カクレクマノミ)を発見、少し離れたところではウミガメが悠々と横切っていきます。(ウミガメがここを訪れるのは月に2~3回だそうで、この日に見られたのは非常にラッキーでした)
あとは名前もわからないけど、カラフルな美しい魚たちがたくさん。

ちなみに施設内の壁にはいろんな豆知識が書かれていて、「ファインディング・ニモ」はオーストラリアのグレートバリアリーフが舞台であり、そこにいるのはカクレクマノミによく似たクラウンアネモネフィッシュだ、だから「ニモ」はカクレクマノミではない・・・という身もふたもないことが書かれていて、窓から海中を見て「ニモだ!」と叫んでる人に水をぶっかけるのですが、そこに書かれている2種類の魚の画を見ても違いが全くわからない・・・

まあそれはともかく、運が良ければサメとか、さらにさらに運がよければマンタもやってくる(年に2~3回)そうなので、期待して行ってみてください。

漁港で新鮮な「カツオ丼」を食べる

1時間ほど海中公園で楽しんで、再び伊良部島に戻ります。
ホテル「イラフSUI」は島の南西にあるのですが、今度は島の東側、佐良浜(さらはま)港というところに行ってみます。

天気が良ければカラフルな建物が映える

ここは港に面した丘のようなところに立つ建物が、海側から見るとかわいくて、撮影スポットとして人気なのですが(天気がよければ地中海の街のように美しい)、きょうのお目当ては「カツオ丼」です。

訪れた「おーばんまい食堂」、まさに港の中にある食堂で、その日揚がったばかりの新鮮な魚介類がいただけます。

店内に入るとほぼ満席。まずは席を確保して、カウンターで注文します。
さしみ定食や海鮮丼など魅力的なメニューが並んでいますが、ここは一点勝負のカツオ丼。サイドとして「白身魚」の天ぷらを頼んでみました。
混んでいたためか少し待たされて、ようやく出てきたカツオ丼、さすがにツヤッツヤでプリプリ。海ぶどうが乗ってるのも嬉しい。

天ぷらは沖縄風で衣が厚くモチモチ、身は鶏肉のような食感で食べ応えがあります。
カツオ丼と合わせて、質・量ともに大満足の昼食でした。

絶景ビーチで夢のような光景を見る

さて、港から島を横切るように車を走らせて西岸に出ると、前日に行った渡口の浜に並ぶ、伊良部島の絶景ビーチ「佐和田(さわだ)の浜」があります。

「日本の渚100選」にも選ばれたというこのビーチに着いた時、奇跡は起こりました。
それまでくもっていた空から日が差してきたと思ったら、どんどん青空が広がってきたのです!

遠浅の海のあちこちから岩が突き出している不思議な風景、全く波がなくてまるで池のような水面がグリーンだったりブルーだったり、日の光で輝いていて、夢のような光景です。浜にはほとんど人もいなくて、波の音もないので不思議な静けさが漂い、神秘的な印象すら受けてしまいます。

きっと真夏の日差しの下だと、また違った印象になるのでしょう。
でもこのタイミングでこの場所を訪れて、ささやかな奇跡に巡り合えたのは本当に幸運でした。

その後は再び宮古島に渡って「島の駅みやこ」でお土産を買ったり(車を借りるのはこの日だけだったのでお土産を買う最後のチャンス)した後、ホテルに戻ってレンタカーを返却。

2日目の夕食は伊良部島の中の居酒屋さんにします。

地元居酒屋で女将おすすめの珍味を食す

車で5分ほどとのことなのでタクシーをお願いし、出発したのは7時半少し前。
日が長い沖縄とはいえ、街灯のない道は真っ暗です。帰りは歩いて帰ろうか、なんてとても思えるところではありません。
そんな暗い道が続き、廃業したガソリンスタンド跡地を過ぎたあたりに、突然、その店は現れました。

「食彩亭 むつ美」。
入り口を入って右に進むと広々した空間にテーブルが10席ほど並んでいます。

入ったときはほと満席だった店内

メニューは基本、普通の沖縄料理。
ということで、この日も海ぶどうと島らっきょを頼んでみます。
(結局今回、7回の夕食すべてでこの2つを注文して食べ比べることになりました)
お酒はきょうも豊見親(とぅゆみゃ)のロック。

最初の料理が出てきたところで、店の女将さんがきょうのおすすめとして「ティラジャー」という巻貝の説明をしてくれます。めったに出ない食材らしいのですが、この日たまたま市場に出たのだそうです。

ティラジャーは本来の名を「マガキガイ」といい、沖縄県民にとってはお馴染みの「酒の肴」なのだとか。

ティラジャーと絶品ソース

それにマヨネーズ・醤油・七味を合わせたソースが添えられています。ソース無しで食べても、かすかな塩味と貝のやわらかな食感が楽しめておいしいのですが、ソースをつけると、またこれが(シンプルながら)貝に信じられないほどに合うんです。

いやあ、おいしい。
やっぱり、めったに入らないものを偶然食べられたというだけで、気持ちは上がりますよねぇ。
ほかにも「アグー豚の揚げぎょうざ」も秀逸の味。こぢんまりとした店ですが、温かい雰囲気が楽しめました。

ちなみに女将さん、関西の出身だそうで、結婚して夫の出身である伊良部島にやってきて、夫婦で店を開いたのだそうです。伊良部島での暮らしは、もちろん自然の豊かさ、星空の美しさは代えがたいけれども、コロナ禍もあって寂しくなることもある。
「内地の人と触れあって、その空気を感じるのも楽しいんです」と笑いながら話してくれました。

確かに店にいたのは割と地元の常連さんが多かったですかね。観光客ともそれほど会話はしないでしょうし。ティラジャーの話で多少とも盛り上がれたのは良かったかもしれません。

ここ数年、沖縄全体でも、こうした小さな島でも、彼女たちのような飲食店を営む人たちは大変だったでしょう。
わずか数日間だけの滞在で、そういうお店で地元の料理を食べて、言葉を交わすことができた、ささやかな幸せに感謝したい夜でした。