将棋大好き芸人の天才・サバンナ高橋登場でNHK「将棋フォーカス」が激変!女流棋士・山口恵梨子とのかけ合いが面白い

NHKのHPより

4月からNHK・Eテレの将棋番組「将棋フォーカス」が大きく変わりました。
これまで、棋士と乃木坂46の向井葉月さんが司会を務めてきましたが、リニューアルされて芸人のサバンナ高橋茂雄さんと女流棋士・山口恵梨子さんに交代。高橋さんの話術を活かした、バラエティ色の強い番組になりつつあります。

「観る将」にとっても見逃せない新生「将棋フォーカス」、その魅力を探ります。

増えたバラエティー的な企画

「将棋フォーカス」は日曜午前10時~10時半、NHK・Eテレで放送されています(毎週水曜午後に再放送)。直後の10時半からは将棋の公式戦「NHK杯テレビ将棋トーナメント」が放送されていて、日曜10時からのEテレは正に「将棋の時間」。

「将棋フォーカス」自体は2012年から始まっていて、初代の司会はタレントのつるの剛士さん。将棋の腕前はアマチュア三段で、要は非常に将棋も強い方でした。(この頃の番組はあまり記憶にありません・・・)
その後、棋士と乃木坂のメンバーが司会をする形になっていましたが、まあ、典型的なEテレの趣味番組という感じで、民放のバラエティ番組と比較すると当然ながら、非常に地味な番組でした。

それが!
「観る将」芸人の筆頭格、いまやあらゆる番組に引っ張りだこの天才司会者・サバンナ高橋さんが起用されたことで、番組自体も大きく変わりました。
お相手が山口恵梨子さんというのも絶妙です。エリリンの愛称で知られる山口さんはABEMAなどの将棋中継で男性棋士との軽妙な会話で人気を博した方で、将棋愛も非常に深く高橋さんとのコンビは相性ぴったりという感じです。

制作側もこの2人を最大限生かそうと、様々な企画に知恵を絞っています。棋界のダジャレ王・豊川孝弘七段をスタジオに呼んだり、将棋の「珍戦法・珍囲い(「囲い」は王将を守るため他の駒で周辺を囲うこと)」を特集したりして、これまでは難しかったトークでの盛り上がりを生み出すことに成功しています。

永瀬王座の紹介企画で爆笑

そして何と言っても番組最後のコーナー「NO 将棋 NO LIFE」。

高橋さんと山口さんが、先に王手をかけたほうが勝ちという特別ルールの「王手将棋」で対決したり、イケメン棋士・斎藤明日斗五段が高橋さんへ「次の一手を当てよ」という挑戦状を突き付けたり、毎回、バラエティに富んだ企画が用意されています。

個人的に面白かったのは、高橋さん肝いり、「今、この棋士が熱い」というタイトルの企画で、永瀬拓矢王座を取り上げた回ですね。この永瀬王座、なかなか面白い人で知られているんですが、その独特のキャラを高橋さんの話術だけで紹介していくという・・・
例えば「将棋の気分転換は将棋で」と語ったことがあるほどの将棋一筋永瀬王座、将棋連盟にはフットサル部や登山部がある中で、「将棋部」を作りたいと言ってあきれられたとか、バナナ好きで対局中の栄養補給はバナナを大量に持ち込むんですが、「一番怖いものは?」と聞かれて「バナナがこの世から無くなること」と答えたとか。
もちろん知る人は知っている話なのでしょうが、いわば「アメトーーク!」のようなノリなので、爆笑しながら聞くことができるんです。
ちなみに永瀬王座の実家はラーメン店。是非食べてみたいと思って高橋さんが店を訪ねたら何と定休日で「とん死した」(「とん死」は将棋用語で、いきなり自分の玉が詰まされること)というオチまでつけてくれました。

とにかく将棋が大好きな(だけど将棋の実力自体はそれほど高くない)高橋さんが、将棋の魅力をあらゆる形で伝えたい・・・と思っている番組なので、初心者も、たぶん上級者も楽しめる番組だと思います。
恐らく予算も限られ、制作陣もバラエティ慣れしていないので、まだまだこなれていない感じはありますが、続けていくうちにもっと面白くなってくるのではないかと期待は十分です。

「将棋フォーカス」、将棋に少しでも興味がある方は、是非ご覧ください。

将棋

Posted by ブラックバード